2019B期は締め切りました
2019年4月18日
登録施設利用促進機関
公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)
X線自由電子レーザー施設SACLAの第16回目となる2019B期(2019年10月~2020年3月実施予定)の利用研究課題の定期募集を行います。
特記事項
- 成果公開について
過去にSACLAを利用した申請者は、課題申請書に「SACLAを利用して得られた主な成果の発表状況」をご記載ください。特に査読付き論文の実績は、申請課題を審査するうえで重要な情報になりますので、もれなく記載してください。なお、SACLAでの実験結果を主とする直接的な利用成果とその他の関連成果が明確に区別できるかたちで記載してください。
なお、SPring-8/SACLAの利用者(成果専有利用を除く)には、課題実施期終了後3年以内の成果公開が義務づけられています。
<新規事項>
- 2019B期からJASRIによる海外機関の一般課題(成果非専有利用)消耗品実費支援は、終了いたします。利用に係る料金については、こちらをご参照ください。
<重要なお知らせ>
- セルフシードXFELの利用について
BL3において、反射型セルフシード方式によるXFELの利用が可能です。セルフシードXFELは、SASE型XFELと同等の平均パルスエネルギーを有しつつ、高い単色性を示します。この方式のXFELの提供には1シフト程度の調整時間が必要です。また、波長変更にも通常より長い時間を要します。これらの調整時間はユーザービームタイムに含めます。利用を希望するユーザーは、課題申請前に必ずXFEL利用研究推進室(sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)に連絡し、提供可能な波長範囲などの条件をご確認ください。
- BL2において実施される実験について
下記の手法を用いる課題は、原則としてBL2で実験を行います。
・シリアルフェムト秒結晶構造解析(SFX, Serial Femtosecond Crystallography)
・固定ターゲットタンパク質結晶構造解析(FPX, Fixed-target Protein Crystallography)
・コヒーレント回折イメージング(CDI, Coherent Diffractive Imaging)
- フィジビリティチェックビームタイム(FCBT)について
ビームタイムを有効に活用するために、測定サンプルの事前確認のためのフィジビリティチェックビームタイム(FCBT、最大0.5シフト)の希望を受け付けます。FCBTにおける実験は、当面のあいだ以下の条件で実施します。
・使用ビームラインおよびハッチ:BL2 EH3
・使用実験装置:DAPHNIS(J. Synchrotron Rad. 22, 532-537, 2015)
・標準光子エネルギー:7keVまたは10keV(ピンクビーム)
・集光ビームサイズ:1-2μm程度(BL2 EH3の1μm集光装置を利用)
このビームタイムを希望するユーザーは、課題申請書に希望する旨および必要な理由を記載してください。
- BL1の変更点について
BL1において、2018B期より、タイミングモニターの共用を開始しました。また、平面ミラーを追加し、集光ビームの光軸を水平にしたことに伴い、集光点が約245 mm下がり、床面から約1250 mmの高さになりました。非集光ビームは使用できません。
- 最近共用を開始した実験装置について
以下の実験装置は当面のあいだ限定された条件で運用します。利用を希望するユーザーは、課題申請前に必ずXFEL利用研究推進室(sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)までお問い合わせください。
- ナノビームコヒーレント回折イメージング装置(MAXIC-S)
北海道大学の西野吉則教授のグループとの共同開発により、100ナノ集光用KBミラーを内蔵したコヒーレント回折イメージング装置を整備しました。BL2 EH3/4bにおいて利用可能です。
- 分割遅延光学系(Split and Delay Optics: SDO)
大阪大学の山内和人教授のグループと共同で開発されたSDOは、1つのXFELパルスを、最大100ピコ秒程度までの時間差のある2つの単色パルスに分割する光学系です。BL3の光学ハッチに導入され、BL3の全ての実験ハッチにおいて利用可能です。
- ハイパワーナノ秒レーザーのための実験チャンバー
SACLAでは、大阪大学が中心となってハイパワーナノ秒レーザーの整備が行なわれました。このレーザーとXFELとの高度な同時利用を実施するために、新たに実験チャンバーを整備しました。これは、大阪大学の兒玉了祐教授のグループをはじめ、関連分野の研究者からの助言を受けて開発されたものです。BL3 EH5において利用可能です。
- ハイパワーフェムト秒レーザー
最大500TWの出力を有するハイパワーフェムト秒レーザーです。当面は限定された出力での運用になります。BL2 EH6において利用可能です。レーザー装置の運転状況により、課題申請時の希望によらず、次項に定める昼または夜シフトのみのビームタイム割当てを適用することがあります。
- BL2における試験的なビームタイム割当てについて
BL2において、科学的または技術的な特段の事情が認められる場合に限定し、昼シフト(AM10:00~PM10:00)のみ、または夜シフト(PM10:00~AM10:00)のみといった、1シフト(=12時間)おきのビームタイム割当てを試験的に導入します。このようなビームタイム割当てを希望する場合は、下記の例にならって“SACLA希望シフト数”欄に記入し、“シフト数算出の根拠”欄にその理由を記載してください。
(記入例)1シフト x n回
昼シフト、夜シフトの指定はできません。他方のシフトにおいては別の実験が実施される場合があり、実験の組み合わせによってはシフト毎に調整運転が必要となります。尚、希望理由およびSACLAビームタイムの有効活用の観点から考慮した結果、ご希望に沿えない場合があることをご了承ください。
1.募集する課題の種類
2019B期は、以下の課題を募集(定期募集)します。
- 一般課題(成果非専有利用)*1 ・・・ 成果を公開する義務あり
- 一般課題(成果専有利用)*2 ・・・ 成果を公開する義務なし
*1 SACLAにおいて、SPring-8、J-PARC MLFまたは「京」と連携して利用する課題申請を行う場合は、こちらもご覧ください。
*2 成果専有利用は以下にご留意ください。
- 成果(査読付論文等)公開義務が無い代わりにビーム使用料が課せられます。
- 当面、日本国内に法人格を有する企業による利用(申請者(実験責任者)が当該企業に所属する方)に限ります。
いずれの課題も、有効期間は当該2019B期のみとなります。なお、本定期募集によらず、「成果専有時期指定課題」を常時募集しています。募集要項はこちらをご覧ください。
2.応募資格
1)一般課題(成果非専有利用)
成果非専有利用については基本的に制限はありませんが、以下にご留意ください。
- 海外の機関に所属する方※
実験責任者としての応募は可能です。但し、コンタクトパーソン(利用に係る手続き、JASRIからの問い合わせ等に対し対応が可能な方)として、共同実験者に日本国内の機関に所属する方1名以上の参画を義務付けます。適切なコンタクトパーソンが見当たらないような場合は、お問い合わせ又はご相談ください。
※日本国外の国にある機関に在籍し、SACLA利用の際は海外から来訪される方
- 学生の方
実験責任者としての課題応募はできません。なお、共同実験者として参画することは可能です。
2)一般課題(成果専有利用)
成果専有利用の申請者(実験責任者)は、当面、日本国内に法人格を有する企業に所属する方に限定します。
3.利用できるビームライン・装置等
利用可能なビームラインは、BL3(XFELビームライン1)、BL2(XFELビームライン2)及びBL1(SXFELビームライン)の3本、利用可能な装置は、これらビームラインに設置された実験装置等です。詳細は「ビームライン情報」をご覧ください。
4.利用期間
2019B期は2019年10月より2020年3月(予定。この間の施設メンテナンスによる調整期間等を除く)において、当該期間中の施設運転を24時間連続で行い、利用時間(ビームタイム)を利用者へ提供します。また、課題ごとのSACLAのビームタイム配分は、成果非専有利用は基本的にシフト単位(1シフト=12時間。但し、フィジビリティチェックビームタイム対象の場合は、0.5シフト単位以下の配分もあり得る)となり、成果専有利用については2時間単位のビームタイム配分となります。なお、予算状況等により利用期間が変更になる場合がありますので、予めご了承ください。
5.利用に係る料金
- ビーム使用料
1)成果非専有利用:免除
2)成果専有利用:2時間あたり 税込1,098,000円(ビーム使用料)
- 消耗品の実費相当の負担
利用実験においてビームライン実験ハッチにて使用する消耗品の実費(定額分及び従量分の2種類あり)相当を、全ての利用者にご負担いただきます。
A. 定額分*
1)成果非専有利用
1シフト(12時間)あたり 税込15,840円(利用者別に分割できない消耗品実費負担)
2)成果専有利用
2時間あたり 税込2,640円(利用者別に分割できない消耗品実費負担)
B. 従量分*(液体ヘリウム)
使用に応じて算定: 1リットルあたり税込3,645円
課題種 |
成果非専有/専有 |
ビーム使用料 |
消耗品実費負担* |
定額分 |
従量分(液体ヘリウム) |
一般課題 |
非専有 |
免除 |
1シフト(12時間)あたり
税込15,840円 |
1リットル
あたり
税込3,645円 |
専有 |
2時間あたり
税込1,098,000円 |
2時間あたり
税込2,640円 |
* 現行の消費税(税率8%)を含む。2019年10月からの消費税率引き上げに伴い、当該税率の適用を現行の8%から10%に変更した額となる予定です。
6.応募に必要な手続き及び注意事項等
課題応募(課題の申請)は、SACLA UIサイト(SACLA User Information Website)を利用して申請を行っていただきます。
- ユーザー登録
課題を申請いただくためには、事前にSPring-8・SACLA共通のユーザー登録が必要となります。申請者(実験責任者)・共同実験者を含めて、未登録の方は当該Webサイトからご登録ください。
- 課題申請
【申請方法】課題申請はWebサイトを利用した電子申請により行います。
申請方法の詳細については「SACLA 利用研究課題オンライン入力要領」をご参照ください。
【申請書作成について】申請書作成に際しては、下書きファイルを用意しておりますので、ご利用ください。
課題申請は、実験責任者が行ってください。申請書提出後は、共同実験者も閲覧が可能となります。
- 応募受理通知
申請完了後、SACLA課題申請受理通知と応募者控え用の誓約事項のPDFファイルがメールで送付されます。メールが届かない場合は申請が受理されていない可能性がありますので、以下の通り確認してください。
UIサイトからマイページにログインし、メニュー(画面左側)の 課題申請書>提出済 をクリックしてください。( トップページ > ログイン > 申請/報告 > 課題申請書 )
- 申請課題が「提出済」に表示されていない場合
→受理されていません。もう一度申請課題の「提出」操作を行ってください。
- 申請課題が「提出済」に表示されている場合
→受理されています。ユーザー登録内容が正しいにもかかわらずメールが不着となっている場合は、利用推進部 までお問い合わせください。
その他
- 課題の有効期間について
SACLAの課題は、当該利用期間(2019B期)内に実行できる範囲の具体的な研究内容で申請してください。例えば、研究そのものが何年も続いていくことと、SACLAの課題実施期間(各利用期ごとに課題公募)とは別に考えてください。
- 実験責任者について
実験の実施全体に対してSACLAの現場で責任を持つことができる方が実験責任者となってください。
7.募集締切
2019年5月24日(金) 午前10時 JST(申請書類の提出完了時刻)
電子申請書の作成(入力)は時間的余裕をもって行っていただきますようお願いいたします。
Web入力に問題がある場合は、利用推進部 へ連絡してください。応募締切時刻までに連絡(締切日当日に限る)を受けた場合のみ別途送信方法のご相談に応じます。
なお、成果専有で申請する場合は、課題申請の後に、「SACLA成果専有利用同意書*」および「SACLA成果専有利用に係る誓約書」を提出していただく必要があります。当該フォームをUIサイト(トップページ>来所/実験>必要書類提出)よりダウンロード後、別途利用推進部へ提出してください(SACLA成果専有利用同意書およびSACLA成果専有利用に係る誓約書の郵送期限:2019年5月31日(金)必着)。
* 料金支払い責任者の記名・押印
8.課題の審査及び審査結果の通知
1.課題の審査
- 1)成果非専有利用
- 科学技術的妥当性、研究手段としてのSACLAの必要性、倫理性、実験の実施可能性および実験の安全性について総合的かつ専門的に審査します(下記審査基準の(1)〜(5))。
- 2)成果専有利用
- 倫理性、実験の実施可能性および実験の安全性について審査します(下記審査基準の(3)〜(5))。
<SACLA利用研究課題審査基準>
利用研究課題を次の基準に沿って総合的かつ専門的に検討評価して課題の選定を実施する。なお、選定に当たっては、科学技術基本計画等国の方針を踏まえるとともに、国際協調と国際競争力の強化のバランスに配慮しつつ、独創的で開拓的な研究が採り上げられるよう留意する。更に、人材の育成に関する機能を果たす課題についても配慮する。
(1)科学技術的妥当性として、次の①又は②に該当すること。
① 最先端の科学技術的価値(斬新性、革新性)を有すること又は
SACLAの新たな可能性の開拓に貢献するとともに、以下の(イ)又は(ロ)のうち、
いずれかに該当すること。
(イ)学術的な貢献度が高いこと
(ロ)産業利用の推進に貢献すること
② 重要な社会的意義を有する又は社会経済へ寄与すること
(2)研究手段としてのSACLAの必要性
(3)提案課題の実施及び成果の利用が平和目的に限定される等、科学技術基本法や
社会通念等に照らして、当該利用研究課題の実施が妥当であること
(4)実験内容の技術的な実施可能性
(5)実施内容の安全性
(6)成果専有課題の審査については、上記(3)、(4)及び(5)の基準によるものとする。
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- 審査結果の通知
審査結果(申請課題の採否)は、2019年8月上旬に電子メールにて通知予定です。
9.利用課題実験報告書
- 成果非専有利用
成果非専有課題実施の透明性を確保するため、利用研究課題終了後60日以内に、実施した利用研究内容の報告を義務付けます(分量はA4版1ページ以内、言語は英語又は日本語、記載内容は、研究の目的、実験方法、測定内容、試料名、結果の概要)。提出された利用課題実験報告書は、ユーザータイム終了後60日目から2週間後にWeb公開します。利用課題実験報告書の詳細は、「利用課題実験報告書 / Experiment Summary Report」をご覧ください。
- 成果専有利用
成果専有利用は利用課題実験報告書の提出は必要ありません。
10.成果の公開
- 成果非専有利用
成果非専有利用は、課題実施期終了後3年以内に、以下のいずれかでの成果の公開を義務づけます。
1)課題番号が明記されている査読付き論文(査読付きプロシーディングス、博士学位論文を含む)
〈論文発表に至らなかった場合〉
2)SPring-8/SACLA利用研究成果集
3)公開技術報告書
成果公開の詳細は、「成果公表」をご覧ください。
なお、成果非専有利用は、実験実施後60日以内の年度内(3月末まで)に利用推進部へ申し出があれば、成果専有利用への変更が可能です(但し、当面、実験責任者が日本国内に法人格を有する企業に所属する方に限定)。
- 成果専有利用
成果専有利用は成果公開の義務はありません。
11.その他
- 放射線業務従事者登録
利用者は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(法律第167号)に従い、放射線業務従事者登録が必要となります。詳細は、「提出書類詳細」をご覧ください。
- 単独実験・作業の禁止
実験の安全上の観点から、原則として単独での利用はできません。共同実験者を確保した上で応募(実施)してください。
- 装置の故障、災害発生時および伝染病発生時の措置
状況により、課題採択後のビームタイムを利用できない場合がありますが、その場合、ビームタイムの補償はできないことを予めご了承ください。
- 損害保険の加入および賠償責任について
利用実験実施等に際し、不慮の事故に備えて傷害保険および賠償責任保険またはこれらと同等の保険に加入していただく必要があります。また、故意または重大な過失によってSACLAおよびSPring-8ならびにそれらに附属する施設、設備ならびに物品その他に損害を及ぼしたときは、損害の全部または一部を賠償していただく場合があります。
12.お問い合わせ・ご相談先
- 利用制度その他全般に関するお問い合わせ・ご相談
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI) 利用推進部
TEL:0791-58-0961
FAX:0791-58-0965
e-mail:sacla.jasri@spring8.or.jp
- 利用研究に係る技術的お問い合わせ・ご相談
産業界の皆様からのお問い合わせも是非お待ちしております。
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI) XFEL利用研究推進室
e-mail:sacla-bl.jasri@spring8.or.jp
13.SACLAの供用に関する参考資料
- 特定放射光施設の共用の促進に関する基本的な方針<文科省Webサイト>
- X線自由電子レーザー利用推進方針<文科省Webサイト>
- X線自由電子レーザー利用推進計画<文科省Webサイト>
- 登録施設利用促進機関業務規程
- 放射光共用施設の利用研究課題選定に関する基本的考え方
- 特定放射光施設の利用促進業務における情報管理に関する基本的考え方
以 上
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