2012A期におけるSACLA共用ビームライン 利用研究課題の募集について

2012A期は締め切りました

平成23年10月6日
登録施設利用促進機関
財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)

独立行政法人理化学研究所のX線自由電子レーザー施設SACLAの供用を平成24年3月より開始するにあたり、JASRIは以下の要領でSACLA共用ビームライン利用研究課題の募集を行いますので、ご応募ください。

1.募集する課題の種類

SACLAの利用研究課題は、重点戦略課題と一般課題に分類されます。 

SACLA
利用研究課題の種類
課題の概要
重点戦略課題

成果の創出を戦略的に図る観点から、国の方針等を踏まえた上でテーマを設定し、設定されたテーマに沿って公募する課題

※詳細は重点戦略課題のテーマをご覧ください。

一般課題

特定のテーマ等を設定せずに公募する課題(=重点戦略課題以外の課題)

なお、2012A期は、いずれの課題についても、成果を専有せずに公開する義務を有する「成果非専有利用」のみの募集であり、成果を公開せずに専有することが可能な「成果専有利用」の募集はありません。

また、これら課題の有効期間は、当該2012A期のみとなります。

2.応募資格

基本的に制限はありませんが、以下にご留意ください。

  1. 海外の機関に所属する方※

    実験責任者としての応募は可能です。但し、コンタクトパーソン(利用に係る手続き、JASRIからの問い合わせ等に対し対応が可能な方)として、 共同実験者に日本国内の機関に所属する方1名以上の参画を義務付けます。適切なコンタクトパーソンが見当たらないような場合は、お問い合わせ又はご相談ください。

    ※海外の機関に所属する方:日本国外の国にある機関に在籍し、SACLA利用の際は海外から来訪される方

  2. 学生の方

    実験責任者としての課題応募はできません。なお、共同実験者として参画することは可能です。

3.利用できるビームライン・装置等

利用可能なビームラインは共用BL3(XFELビームライン)及び共用BL1(広帯域自発放射ビームライン)の2本、利用可能な装置は、これらビームラインに設置された実験装置等です。詳細は「ビームライン情報」をご覧ください。

なお、SACLAでは実験装置等整備・立ち上げを継続的に行っているため、実験装置等の情報は随時更新されますので、ご留意ください。

4.利用期間

2012A期は平成24年3月より7月(この間の施設メンテナンスによる調整期間等を除く)において、当該期間中の施設運転を24時間連続で行い、ビームタイムを利用者へ提供します。また、課題ごとのビームタイム配分は、基本的にシフト単位(1シフト=12時間)となります。

なお、予算状況等により利用期間が変更になる場合がありますので、予めご了承ください。

5.利用に係る料金

  1. ビーム使用料

    2012A期で募集する「成果非専有利用」は、ビーム使用料は免除されます。なお、前述のとおり、2012A期においては、「成果専有利用」(ビーム使用料を要する利用(予定))の募集はありません。

  2. 消耗品の実費相当の負担

    利用実験においてビームライン実験ハッチにて使用する消耗品の実費(定額分及び従量分の2種類あり)相当を、全ての利用者にご負担いただきます。

    1. 定額分
      税込15,450円/1シフト(利用者別に分割できない消耗品実費相当)
    2. 従量分
      使用に応じて算定(液体ヘリウム、ヘリウムガス及びSPring-8のストックルームで提供するパーツ類等)

なお、2012A期において、海外の機関に所属する方から応募された課題については、消耗品の実費相当(A.定額分+B.従量分)額を支援します。定額分(税込15,450円/シフト)は、次の利用期(2012B)以降、2012A期の実費実績を踏まえ、変更する可能性があります。

6.応募に必要な手続き及び注意事項等

課題応募(課題の申請)は、SACLA UIサイト(SACLA User Information Website)からログイン後、申請を行っていただきます。

  1. ユーザー登録

    ユーザー登録は、SACLAに隣接するSPring-8と同じシステムにて登録いただきます。課題の申請時にユーザーカード番号とパスワードが必要となりますので、まず最初に当該登録を行ってください(新規ユーザー登録)。課題応募者(実験責任者)だけでなく、共同実験者として登録される方も同様にユーザー登録が必要になります。

    なお、SPring-8ユーザーとして既に登録がなされている方につきましては新たな登録は必要ありませんが、SPring-8やSACLAの課題採否通知の送付等の各種ご連絡に必要な情報がありますので、既存ユーザー登録内容を確認のうえ、必要に応じて情報の更新をお願いします。

  2. 申請書類及び申請方法

    課題の申請書類である「SACLA利用研究課題申請書」に必要情報を記入し、「誓約事項」に承認いただいた後、アップロードにより申請書類を提出いただきます。

    また、申請書類のアップロード方法等につきましては、課題申請ページをご参照ください。

  3. 応募受理通知

    申請が完了すれば、応募受理通知と応募者控え用の誓約事項のPDFファイルがメールで送られます。メールが届かない場合は申請が受理されていない可能性がありますので、利用業務部にお問い合わせください。

  4. その他
    1. 課題の有効期間について
    SACLAの課題は、当該利用期間(2012A期)内に実行できる範囲の具体的な研究内容で申請してください。例えば、研究そのものが何年も続いていくことと、SACLAの課題実施期間(各利用期ごとに課題公募)とは別に考えてください。
    2. 実験責任者について
    実験の実施全体に対してSACLAの現場で責任を持つことができる方が実験責任者となってください。

7.募集締切

 平成23年12月15日(木) 午前10時(申請書類の提出完了時刻)

8.課題の審査及び審査結果の通知

(1)課題の審査
 応募された課題は、登録施設利用促進機関JASRIが以下の審査基準に従い、公平・公正に審査のうえ採否を決定します。

<SACLA利用研究課題審査基準>

利用研究課題を次の基準に沿って総合的かつ専門的に検討評価して課題の選定を実施する。なお、選定に当たっては、科学技術基本計画等国の方針を踏まえるとともに、国際協調と国際競争力の強化のバランスに配慮しつつ、独創的で開拓的な研究が採り上げられるよう留意する。更に、人材の育成に関する機能を果たす課題についても配慮する。

(1)科学技術的妥当性として、次の①又は②に該当すること。
  ① 最先端の科学技術的価値(斬新性、革新性)を有すること又は
   SACLAの新たな可能性の開拓に貢献するとともに、以下の(イ)又は(ロ)のうち、いずれかに該当すること。
   (イ)学術的な貢献度が高いこと
   (ロ)産業利用の推進に貢献すること
  ② 重要な社会的意義を有する又は社会経済へ寄与すること
(2)研究手段としてのSACLAの必要性
(3)提案課題の実施及び成果の利用が平和目的に限定される等、科学技術
  基本法や社会通念等に照らして、当該利用研究課題の実施が妥当であること
(4)実験内容の技術的な実施可能性
(5)実施内容の安全性
(6)重点戦略課題については、課題解決に向けた道筋の明確性についても重視する。
(7)配分可能ビームタイムが利用研究課題の実施に必要なビームタイムを
  下回る場合、ビームタイム配分可否境界上の重点戦略課題及び一般課題
  において、選定に際し同等の評価を得た課題については、重点戦略課題
  の重要性に鑑み、その選定を優先する。

(2)審査結果の通知
 審査結果(応募課題の採否)は、平成24年1月下旬に文書にて通知予定です。

9.利用課題実験報告書

 成果非専有課題実施の透明性を確保するため、利用研究課題終了後60日以内に、実施した利用研究内容の報告を義務付けます(分量はA4版1ページ以内、言語は英語又は日本語、記載内容は、研究の目的、実験方法、測定内容、試料名、結果の概要)。

10.成果の公開

成果非専有課題は、課題実施期終了後3年以内に、以下のいずれかでの成果の公開を義務づけます。

  1. 課題番号が明記されている査読付き論文(査読付きプロシーディングス、博士学位論文を含む)
  2. SACLA利用研究成果集(現時点では仮称)<注1>
  3. 企業の公開技術報告書(産業利用のみ)<注2>

<注1>SACLA利用研究成果集(現時点では仮称)について

  • 実験で得られた成果について十分な情報を記載する。
  • 1課題につき1レポートとする。
  • 使用言語は、英語又は日本語とする。
  • 分量はA4版2~3ページ相当
  • 挑戦的実験や、その他の理由で実験が不成功に終わった場合や期待通りの結果が得られなかった場合は、その内容を詳細に記述する。
  • JASRIで審査(査読)を行う。

<注2>十分な情報が記載されていることを、JASRIで確認する。

11.その他

(1)放射線業務従事者登録
 SACLAのビームラインを利用される方は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(法律第167号)に従い、放射線業務従事者登録が必要となります。
(2)単独実験・作業の禁止
 実験の安全上の観点から、原則として単独での利用はできません。共同実験者を確保した上で応募(実施)してください。
(3)装置の故障、災害発生時及び伝染病発生時の措置
 状況により、課題採択後のビームタイムを利用できない場合がありますが、その場合、ビームタイムの補償はできないことを予めご了承ください。

12.お問い合わせ・ご相談先

(1)利用制度その他全般に関するお問い合わせ・ご相談
  〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
   財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI) 利用業務部
  TEL:0791-58-0961
  FAX:0791-58-0965
  e-mail:sacla.jasri@spring8.or.jp

(2)利用研究に係る技術的お問い合わせ・ご相談
  〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
   財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI) XFEL研究推進室
  e-mail:sacla-bl.jasri@spring8.or.jp

13.SACLAの供用に関する参考資料

  1. 特定放射光施設の共用の促進に関する基本的な方針<文科省Webサイト>
  2. X線自由電子レーザー利用推進方針<文科省Webサイト>
  3. X線自由電子レーザー利用推進計画中間報告<文科省Webサイト>
  4. 放射光共用施設の利用研究課題選定に関する基本的考え方
  5. 特定放射光施設の利用促進業務における情報管理に関する基本的考え方

以 上

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