2025年4月17日
登録施設利用促進機関
公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI)
X線自由電子レーザー施設SACLAの第27回目となる2025B期(2025年10月~2026年3月実施予定)の利用研究課題の定期募集を行います。
1.募集する課題の種類
2.応募資格
3.利用できるビームライン・装置等
4.利用期間
5.利用に係る料金
6.応募に必要な手続き及び注意事項等
7.募集締切
8.課題の審査及び審査結果の通知
9.利用課題実験報告書
10.成果の公開
11.その他
12.お問い合わせ・ご相談先
13.SACLAの供用に関する参考資料
特記事項
〈2025B期募集に関する重要事項〉
○BL2またはBL3の利用を希望する方へ
BL2 EH3で進めている高度化により、従来BL3で実施されていた利用研究の一部がEH3でも実施可能になりました。
これを受け、2025B期より希望ビームライン(ハッチ)を特に指定しない形での申請が可能になりました。また、BL2またはBL3の特定の実験ハッチでの実験を希望し、それ以外のハッチでは支障がある場合には、申請書に以下の通りその理由を簡潔に記載してください。
- 記載場所:「基本情報」の「ビームライン(ハッチ)希望についての補足説明」欄
- 記載内容:希望の実験ハッチ以外では支障がある理由
なお、BL3の各ハッチとBL2 EH3では利用可能な実験条件が異なりますので、本募集案内に記載の項目をご確認ください。ご不明な点がある場合には、XFEL利用研究推進室 (sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)までお問い合わせください。
※ビームラインの最終的な割り当ては、従来通り、審査員による評価、実験内容等を総合的に判断して決定されます。採択されるビームラインが申請書に記載された希望通りではない場合があることを予めご了承ください。
○BL2 EH3でのフェムト秒レーザーの運用条件について
2024A期からBL2 EH3でフェムト秒レーザーが利用可能になりました。タイミングモニターの整備などの高度化開発は2025年度も進行中であり、2025B期にEH3で利用可能なフェムト秒レーザーの典型的な運用条件は以下を予定しています。より詳しい情報については、XFEL利用研究推進室 (sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)までお問い合わせください。
- 波長:0.25 – 2.6 µm (OPAの使用に限る)
- パルスエネルギー:最大 1 mJ程度(使用波長に依存)
- 繰り返し周波数:60 Hz
- タイミングモニター:なし(ポンププローブ実験の時間分解能は1 ps程度)
なお、EH3では従来からあるナノ秒レーザーも引き続き利用可能です。
○実施可能性に関する事前問い合わせについて
本募集案中の「施設共用実験装置と特殊運転の利用について」に記載されている装置、運転条件に限らず、計画されている実験の実施可能性についてご不明な点がある場合には、XFEL利用研究推進室(sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)までご相談ください。事前の問い合わせを行い、実施可能性について施設側研究員の回答を受けた場合には、その回答結果について申請書内に記載ください。
○共同実験責任者の指定について
実験責任者(課題申請者)が希望する場合は、課題申請時に共同実験者の中から「共同実験責任者」を指定可能です。共同実験責任者は、実験責任者と共同で責任を持って利用研究課題を主導いただける方とし、そのため、実験責任者と同様に課題の応募資格を有している方に限られます。共同実験責任者の役割の具体例を以下に示します。
- 対象となる装置・手法・技術などに精通しており、複数の関連課題の実施を統括する。
- 実験責任者に代わって施設との連絡窓口となり、施設側担当者との情報交換を責任を持って行う。
なお、共同実験責任者として施設側研究員を指定することも可能です。
共同実験責任者を指定するには、申請書に以下の通り記載してください。
【利用研究課題(成果非専有)】
- 記載場所:「本研究に関わる準備状況」欄
- 記載内容:共同実験責任者のユーザーカード番号、氏名、所属機関名
【利用研究課題(成果専有)】
- 記載場所:「研究の提案理由」欄
- 記載内容:共同実験責任者のユーザーカード番号、氏名、所属機関名
○関連する他の課題または試験利用申請からの一部引用について
関連課題または試験利用との関係性を明確にし、申請書の効率的な作成を可能にするため、過去に申請済みまたは同時期に申請予定の課題または試験利用と内容が共通する部分については、以下の条件のもとで申請書の記述を一部引用することが可能です。ただし、引用にあたっては、引用元となる申請と引用先となる申請(本申請)の違いを必ず明記してください。
- 引用元となる申請の実験責任者が、本申請の実験責任者または共同実験者であること。
- 引用元となる申請の情報(実験責任者名や課題番号など)が明記されていること。
- 引用は、例えば「研究の提案理由」欄中の研究の背景、「実験の方法」欄中の測定法・レイアウトなど、それぞれの記載項目欄内の一部に限定されていること。
- 各申請書内の記述だけに基づいて課題の審査を行えるよう、必要な情報が個別の申請書内に漏れなく含まれていること。
○関連する過去の申請の審査結果コメントへの回答について
本申請と関連する過去の申請への審査結果に審査コメントが記されていた場合には、申請書に以下の通りコメントへの回答を記載してください。
- 記載場所:「実験方法など」の「本研究に関わる準備状況」欄
- 記載内容:関連する過去の申請への審査結果コメントへの回答
なお、過去5期分の審査結果通知および審査コメントは、(SACLA UIサイト)
(SACLA User Information Website)(マイページ)で確認できます。
○成果専有課題の応募要件について
2024B期より、日本国内に法人格を有する企業に所属する方、及び、日本国内に法人格を有する学術研究機関に所属する方は成果専有課題の申請が可能となりました。ご不明な点は利用推進部(sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)までお問い合わせください。
〈申請前に確認が必要な実験装置および運転条件〉
○施設共用実験装置と特殊運転の利用について
以下の実験装置または運転条件を利用する場合は、課題申請書作成に先立ってXFEL利用研究推進室 (sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)まで、希望する利用条件を必ずご連絡ください。
なお、一般的な利用条件は(ホームページ)に記載されていますが、最新の運用条件や調整に要する時間などについてはXFEL利用研究推進室 (sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)までお問い合わせください。
- 2色発振XFEL
BL3において、異なる光子エネルギーをもつダブルパルスのXFELが利用可能です。利用条件によりますが、2つのパルスの間には最大で300 fs程度の遅延時間を設けられます。BL2においても2色発振XFELが利用可能ですが、遅延時間を設けることはできません。いずれのビームラインでも、利用できる光子エネルギーには制限があります。
- セルフシードXFEL
BL3において、反射型セルフシード方式によるXFELの利用が可能です。セルフシードXFELは、高い単色性を示しつつ、SASE型XFELをモノクロメーターで単色化した場合に比べて高い平均パルスエネルギーを有します。この方式のXFELの提供には1シフト程度の調整時間が必要です。また、波長変更にも通常より長い時間を要します。これらの調整時間はユーザービームタイムに含まれますので、調整時間を加味して希望シフト数を算出してください。
- 分割遅延光学系(Split and Delay Optics: SDO)
BL3における実験では、1つのXFELパルスを最大100ピコ秒程度までの時間差のある2つの単色パルスに分割する光学系を利用可能です。本光学系は、大阪大学の山内和人教授のグループとの共同開発によりBL3の光学ハッチに整備されました。
- Sub-10ナノ集光実験装置
BL3 EH4cにおいて、Sub-10 nmまで集光したXFEL(9 keV)を利用可能です。本実験装置は、大阪大学の山内和人教授のグループとの共同開発により整備されました。この装置は高強度のXFELを実現するための特殊な装置であり、他の集光光学系に比べて利用できる試料環境や計測手法が制約されます。本装置に関しては、装置改良が継続して行われているため、運用条件が以前のものから変更される可能性があります。
- 可搬型ナノ集光光学システム
BL2 EH3、BL3 EH2および4cにおいて、数百ナノメートル級までXFELを集光できる可搬型のKBミラー集光システムが利用可能です。従来のBL3 EH5のナノ集光光学系(100exa)とは異なり、大型検出器やポンプ・プローブ実験のための光学レーザーと組み合わせた利用も可能です。
- 高強度テラヘルツパルス
BL3 EH2において、光パラメトリック増幅器を用いたパルスレーザー励起による非線形光学結晶(DSTMS)から発生する高強度テラヘルツパルスを利用可能です。当面は試験的な運用のため、提供可能な集光性能、集光強度などの特性は期によって異なりますが、2024年度の実績では、集光径1 mm、中心周波数 1.6 THz、電場強度 0.4 MV/cm 程度でした。また、テラヘルツパルスの調整やパルス波形測定などに要する時間は、標準的なレーザー調整時間より長くなります。テラヘルツパルスの調整時間はユーザービームタイムに含まれますので、調整時間を加味して希望シフト数を算出してください。
- 近赤外数サイクルパルス
BL1 EH4a、BL3 EH2において、アルゴンガスを封入した中空ファイバーを用いて発生させた近赤外の数サイクルパルス(パルス幅 8 fs程度)が利用可能です。この数サイクルパルスを利用可能な実験配置には制限があります。
- ナノビームコヒーレント回折イメージング装置(MAXIC-S)
BL2 EH3/4bにおいて、100ナノ集光用KBミラーを内蔵したコヒーレント回折イメージング装置を利用可能です。本実験装置は、北海道大学の西野吉則教授のグループとの共同開発により整備されました。
- 汎用型軟X線オプトスピントロニクス実験装置
BL1において、サブミクロン集光ウォルターミラーを内蔵した光学応答測定装置を非線形光学現象や共鳴磁気光学カー効果などの観測に利用可能です。本実験装置は、東京大学の松田巌教授と三村秀和准教授との共同開発により、整備されました。
- ハイパワーフェムト秒レーザー実験システム
BL2 EH6において、最大500 TWの出力を有するハイパワーフェムト秒レーザー実験システムが利用可能です。このためのレーザー装置は当面は限定された条件で運用されます。また、レーザー装置の保守・高度化や実験準備のために必要な時間を考慮し、この実験システムを使用する課題は1期あたり2課題程度に制限されます。
○ハイパワーナノ秒レーザーの利用について
SACLAでは、大阪大学が中心となってハイパワーナノ秒レーザー(HERMES)の整備が行われました。このレーザーとXFELとの同時利用実験を実施するため、XFELの集光光学系や実験チャンバーなどを含む実験システムがBL3 EH5において整備されています。
この実験システムを利用した、ハイパワーナノ秒レーザーとXFELの同時利用実験に関する共用課題については、下記事項に同意のうえ申請してください。
- 上記実験システムを使用するSACLA共用課題は、大阪大学レーザー科学研究所の共同利用課題としても取扱われます。
- 課題が採択された場合、JASRIは課題情報を大阪大学レーザー科学研究所に通知します。
- 利用研究成果の公開には、SACLA及び大阪大学レーザー科学研究所のハイパワーナノ秒レーザーを使用した成果と明記する必要があります。
この実験システムの利用を希望するユーザーは、課題申請前に必ずXFEL利用研究推進室 (sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)まで、レーザー及び実験システムの運用条件についてお問い合わせください。
なお、2024B期における典型的なレーザー運用条件は、以下の通りでした。
- パルスエネルギー:15 J程度(サンプル上において)
- パルス波形:5 ns(矩形波)
- 中心波長:532 nm
- 集光ビームプロファイル:回折型ホモジナイザーを利用した、トップハットプロファイル(120、170、260または470 µm FWHM程度)。
○施設共用実験装置と特殊運転の利用について
以下の実験装置または運転条件を利用する場合は、課題申請書作成に先立ってXFEL利用研究推進室 (sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)まで、希望する利用条件を必ずご連絡ください。
なお、一般的な利用条件は(ホームページ)に記載されていますが、最新の運用条件や調整に要する時間などについてはXFEL利用研究推進室 (sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)までお問い合わせください。
- 2色発振XFEL
BL3において、異なる光子エネルギーをもつダブルパルスのXFELが利用可能です。利用条件によりますが、2つのパルスの間には最大で300 fs程度の遅延時間を設けられます。BL2においても2色発振XFELが利用可能ですが、遅延時間を設けることはできません。いずれのビームラインでも、利用できる光子エネルギーには制限があります。 - セルフシードXFEL
BL3において、反射型セルフシード方式によるXFELの利用が可能です。セルフシードXFELは、高い単色性を示しつつ、SASE型XFELをモノクロメーターで単色化した場合に比べて高い平均パルスエネルギーを有します。この方式のXFELの提供には1シフト程度の調整時間が必要です。また、波長変更にも通常より長い時間を要します。これらの調整時間はユーザービームタイムに含まれますので、調整時間を加味して希望シフト数を算出してください。 - 分割遅延光学系(Split and Delay Optics: SDO)
BL3における実験では、1つのXFELパルスを最大100ピコ秒程度までの時間差のある2つの単色パルスに分割する光学系を利用可能です。本光学系は、大阪大学の山内和人教授のグループとの共同開発によりBL3の光学ハッチに整備されました。 - Sub-10ナノ集光実験装置
BL3 EH4cにおいて、Sub-10 nmまで集光したXFEL(9 keV)を利用可能です。本実験装置は、大阪大学の山内和人教授のグループとの共同開発により整備されました。この装置は高強度のXFELを実現するための特殊な装置であり、他の集光光学系に比べて利用できる試料環境や計測手法が制約されます。本装置に関しては、装置改良が継続して行われているため、運用条件が以前のものから変更される可能性があります。 - 可搬型ナノ集光光学システム
BL2 EH3、BL3 EH2および4cにおいて、数百ナノメートル級までXFELを集光できる可搬型のKBミラー集光システムが利用可能です。従来のBL3 EH5のナノ集光光学系(100exa)とは異なり、大型検出器やポンプ・プローブ実験のための光学レーザーと組み合わせた利用も可能です。 - 高強度テラヘルツパルス
BL3 EH2において、光パラメトリック増幅器を用いたパルスレーザー励起による非線形光学結晶(DSTMS)から発生する高強度テラヘルツパルスを利用可能です。当面は試験的な運用のため、提供可能な集光性能、集光強度などの特性は期によって異なりますが、2024年度の実績では、集光径1 mm、中心周波数 1.6 THz、電場強度 0.4 MV/cm 程度でした。また、テラヘルツパルスの調整やパルス波形測定などに要する時間は、標準的なレーザー調整時間より長くなります。テラヘルツパルスの調整時間はユーザービームタイムに含まれますので、調整時間を加味して希望シフト数を算出してください。 - 近赤外数サイクルパルス
BL1 EH4a、BL3 EH2において、アルゴンガスを封入した中空ファイバーを用いて発生させた近赤外の数サイクルパルス(パルス幅 8 fs程度)が利用可能です。この数サイクルパルスを利用可能な実験配置には制限があります。 - ナノビームコヒーレント回折イメージング装置(MAXIC-S)
BL2 EH3/4bにおいて、100ナノ集光用KBミラーを内蔵したコヒーレント回折イメージング装置を利用可能です。本実験装置は、北海道大学の西野吉則教授のグループとの共同開発により整備されました。 - 汎用型軟X線オプトスピントロニクス実験装置
BL1において、サブミクロン集光ウォルターミラーを内蔵した光学応答測定装置を非線形光学現象や共鳴磁気光学カー効果などの観測に利用可能です。本実験装置は、東京大学の松田巌教授と三村秀和准教授との共同開発により、整備されました。 - ハイパワーフェムト秒レーザー実験システム
BL2 EH6において、最大500 TWの出力を有するハイパワーフェムト秒レーザー実験システムが利用可能です。このためのレーザー装置は当面は限定された条件で運用されます。また、レーザー装置の保守・高度化や実験準備のために必要な時間を考慮し、この実験システムを使用する課題は1期あたり2課題程度に制限されます。
○ハイパワーナノ秒レーザーの利用について
SACLAでは、大阪大学が中心となってハイパワーナノ秒レーザー(HERMES)の整備が行われました。このレーザーとXFELとの同時利用実験を実施するため、XFELの集光光学系や実験チャンバーなどを含む実験システムがBL3 EH5において整備されています。
この実験システムを利用した、ハイパワーナノ秒レーザーとXFELの同時利用実験に関する共用課題については、下記事項に同意のうえ申請してください。
- 上記実験システムを使用するSACLA共用課題は、大阪大学レーザー科学研究所の共同利用課題としても取扱われます。
- 課題が採択された場合、JASRIは課題情報を大阪大学レーザー科学研究所に通知します。
- 利用研究成果の公開には、SACLA及び大阪大学レーザー科学研究所のハイパワーナノ秒レーザーを使用した成果と明記する必要があります。
この実験システムの利用を希望するユーザーは、課題申請前に必ずXFEL利用研究推進室 (sacla-bl.jasri@spring8.or.jp)まで、レーザー及び実験システムの運用条件についてお問い合わせください。
なお、2024B期における典型的なレーザー運用条件は、以下の通りでした。
- パルスエネルギー:15 J程度(サンプル上において)
- パルス波形:5 ns(矩形波)
- 中心波長:532 nm
- 集光ビームプロファイル:回折型ホモジナイザーを利用した、トップハットプロファイル(120、170、260または470 µm FWHM程度)。
〈その他のお知らせ〉
○SACLA試験利用について
SACLA試験利用は、今後の科学的価値の高い実験の実施を目指して予めSACLAを試験的に利用していただくものです。通常の利用研究課題とは異なり、実施後の成果の公開として、試験利用実験報告書のみが義務づけられます。
SACLA利用研究課題と試験利用の双方に応募が可能です。ただし、同一内容で申請する場合は、試験利用の申請を行わず、SACLA利用研究課題の申請時に「5.試験利用との併願」の該当箇所にチェックを入れてください。この場合、利用研究課題として不採択となった際には、試験利用として審査をうけることができます。
試験利用について、詳しくは(こちら)をご覧ください。
○フィジビリティチェックビームタイム(FCBT)について
ビームタイムを有効に活用するため、測定サンプルの事前確認のためのフィジビリティチェックビームタイム(FCBT, 最大0.5シフト)の希望を受け付けます。FCBTに実施できる実験は、以下の条件に限定されます。
- 使用ビームラインおよびハッチ:BL2 EH3
- 使用実験装置:DAPHNIS (J. Synchrotron Rad. 22, 532-537, 2015)
- 標準光子エネルギー:10 keV(ピンクビーム)
- 集光ビームサイズ:1-2 µm程度(BL2 EH3の1 µm集光装置を利用)
このビームタイムを希望するユーザーは、SACLA利用研究課題の申請時に「5.試験利用との併願」の該当箇所にチェックを入れてください。
○遠隔実験について
所外からの遠隔実験システムを一部の実験で利用可能です。このシステムの利用の可否は、システムの整備状況や各課題の実験内容に応じて決定されます。
○変則的なビームタイム割当てについて
技術的または運用上の事情により、昼シフト(AM10:00~PM10:00)のみ、または夜シフト(PM10:00~AM10:00)のみといったビームタイム割当てを行う場合があります。
1.募集する課題の種類
2025B期は、以下の課題を募集します。
- 一般課題(成果非専有利用)※1 ・・・ 成果を公開する義務あり
- 一般課題(成果専有利用)※2 ・・・ 成果を公開する義務なし
※1 SACLAにおいて、SPring-8、J-PARC MLFまたは「京」/「富岳」を含むHPCI(スーパーコンピュータ「京」/「富岳」を含む革新的ハイパフォーマンス・コンピューティング・インフラ)と連携して利用する課題申請を行う場合は、こちらもご覧ください。
※2 成果専有利用は以下にご留意ください。
・成果(査読付論文等)公開義務が無い代わりにビーム使用料が課せられます。
・当面、日本国内に法人格を有する企業及び学術研究機関による利用(実験責任者が当該企業及び学術研究機関に所属する方)に限ります。
注)2024B期より「日本国内に法人格を有する学術研究機関」が対象に追加されました。
いずれの課題も、有効期間は当該2025B期のみとなります。なお、本定期募集によらず、「成果専有時期指定課題」を常時募集しています。募集要項はこちらをご覧ください。
2.応募資格
1)一般課題(成果非専有利用)
成果非専有利用について基本的に制限はありませんが、以下にご留意ください。
- 海外の機関に所属する方※
実験責任者としての応募は可能です。但し、コンタクトパーソン(利用に係る手続き、JASRIからの問い合わせ等に対し対応が可能な方)として、日本国内の機関に所属する1名以上の共同実験責任者または共同実験者の参画を義務付けます。適切なコンタクトパーソンが見当たらない場合は、課題申請前に利用推進部(sacla.jasri@spring8.or.jp)までお問い合わせください。
※日本国外にある機関に在籍し、SACLA利用の際は海外から来訪される方 - 学生の方
実験責任者としての課題応募はできません。なお、共同実験者として参画することは可能です(共同実験責任者としての参画はできません)。
2)一般課題(成果専有利用)
成果専有利用の申請者(実験責任者)は、当面、日本国内に法人格を有する企業及び学術研究機関に所属する方に限定します。
3.利用できるビームライン・装置等
利用可能なビームラインは、BL3(XFELビームライン1)、BL2(XFELビームライン2)及びBL1(SXFELビームライン)の3本、利用可能な装置は、これらビームラインに設置された実験装置等です。詳細はビームライン情報をご覧ください。
4.利用期間
2025年10月より2026年3月(予定。この間の施設メンテナンスによる調整期間等を除く)において、当該期間中の施設運転を24時間連続で行い、利用時間(ビームタイム)を利用者へ提供します。また、課題ごとのSACLAのビームタイム配分は、成果非専有利用は基本的にシフト単位(1シフト=12時間。但し、フィジビリティチェックビームタイム対象の場合は、0.5シフト単位以下の配分もあり得る)となり、成果専有利用については2時間単位のビームタイム配分となります。なお、予算状況等により利用期間が変更になる場合がありますので、予めご了承ください。
5.利用に係る料金
1.ビーム使用料
- 成果非専有利用:免除
- 成果専有利用:2時間あたり 税込1,098,000円(ビーム使用料)
2.消耗品の実費相当の負担
利用実験においてビームライン実験ハッチにて使用する消耗品の実費(定額分及び従量分の2種類あり)相当を、全ての利用者にご負担いただきます。
A. 定額分*
- 成果非専有利用:
1シフト(12時間)あたり 税込18,600円(利用者別に分割できない消耗品実費負担) - 成果専有利用:
2時間あたり 税込3,100円(利用者別に分割できない消耗品実費負担)
B. 従量分(液体ヘリウム)**
使用に応じて算定: 1リットルあたり 税込9,925円
課題種 | 成果非専有/専有 | ビーム使用料 | 消耗品実費負担 | |
---|---|---|---|---|
A. 定額分* | B. 従量分** (液体ヘリウム) |
|||
一般課題 | 非専有 | 免除 | 1シフト(12時間)あたり 税込18,600円 |
1リットルあたり 税込9,925円 |
専有 | 2時間あたり 税込1,098,000円 |
2時間あたり 税込3,100円 |
*利用者別に分割できない消耗品実費相当。2025A期から料金が改定されました。
**昨今のヘリウム供給に関する国際情勢により、JASRIから安定的に供給できない可能性がありますので、ご承知おきのほどよろしくお願いいたします。また、液体ヘリウム単価は予告なく変更される可能性があります。
6.応募に必要な手続き及び注意事項等
課題申請は、SACLA UIサイトを利用して行っていただきます。
1.ユーザー登録
課題を申請するためには、事前にSPring-8・SACLA共通のユーザー登録が必要となります。申請者(実験責任者)・共同実験者を含めて、未登録の方は当該Webサイトからご登録ください。
2.課題申請
【申請方法】
課題申請はWebサイトを利用した電子申請で受け付けます。
申請方法の詳細については「SACLA 利用研究課題オンライン入力要領」をご参照ください。
【申請書作成について】
申請書作成に際しては、下書きファイルを用意しています。下書きファイルには課題申請に必要な記入項目と補足事項が示されており、申請書作成の手引きとなりますので、ご利用になることを強く推奨します。
課題申請は、実験責任者が行ってください。申請書提出後は、共同実験者も閲覧が可能となります。
3.応募受理通知
申請完了後、SACLA課題申請受理通知と応募者控え用の誓約事項のPDFファイルがメールで送付されます。メールが届かない場合は申請が受理されていない可能性がありますので、以下の通り確認してください。
UIサイトからマイページにログインし、メニュー(画面左側)の 課題申請書>提出済 をクリックしてください。( トップページ > ログイン > 申請/報告 > 課題申請書 )
- 申請課題が「提出済」に表示されていない場合:
受理されていません。もう一度申請課題の「提出」操作を行ってください。 - 申請課題が「提出済」に表示されている場合:
受理されています。ユーザー登録内容が正しいにもかかわらずメールが不着となっている場合は、利用推進部(sacla.jasri@spring8.or.jp)までお問い合わせください。
その他
- 課題の有効期間について
採択されたSACLAの課題は当該利用期間(2025B期)に限り有効です。当該利用期間内に実行できる範囲の具体的な研究内容で申請してください。例えば、研究そのものが何年も続いていくことと、SACLAの課題実施期間(各利用期ごとに課題公募)とは別に考えてください。 - 実験責任者について
実験の実施全体に対して責任を持つことができる方が実験責任者となってください。
7.募集締切
2025年5月23日 (金) 午前10時 JST (UTC+9 申請書類の提出完了時刻)
電子申請書の作成(入力)は時間的余裕をもって行っていただきますようお願いいたします。
Web入力に問題がある場合は、利用推進部(sacla.jasri@spring8.or.jp)へ連絡してください。応募締切時刻までに連絡(締切日当日に限る)を受けた場合のみ別途送信方法のご相談に応じます。
なお、成果専有で申請する場合は、課題申請の後に、「SACLA 成果専有利用同意書※」および「SACLA 成果専有利用に係る誓約書」を提出していただく必要があります。当該フォームをUIサイト(トップページ>来所/実験>必要書類提出)よりダウンロード後、別途利用推進部(sacla.jasri@spring8.or.jp)へ提出してください(SACLA成果専有利用同意書およびSACLA成果専有利用に係る誓約書の郵送期限:2025年5月30日 (金)必着)。
※ 料金支払い責任者の記名・押印が必要です。
8.課題の審査及び審査結果の通知
1.課題の審査
- 成果非専有利用
科学技術的妥当性、研究手段としてのSACLAの必要性、倫理性、実験の実施可能性および実験の安全性について総合的かつ専門的に審査します(下記審査基準の(1)~(5))。 - 成果専有利用
倫理性、実験の実施可能性および実験の安全性について審査します(下記審査基準の(3)~(5))。
<SACLA利用研究課題審査基準>
利用研究課題を次の基準に沿って総合的かつ専門的に検討評価して課題の選定を実施する。なお、選定に当たっては、科学技術基本計画等国の方針を踏まえるとともに、国際協調と国際競争力の強化のバランスに配慮しつつ、独創的で開拓的な研究が採り上げられるよう留意する。更に、人材の育成に関する機能を果たす課題についても配慮する。
- (1)科学技術的妥当性として、次の①又は②に該当すること。
- ① 最先端の科学技術的価値(斬新性、革新性)を有すること又はSACLAの新たな可能性の開拓に貢献するとともに、以下の(イ)又は(ロ)のうち、いずれかに該当すること。
- (イ)学術的な貢献度が高いこと
- (ロ)産業利用の推進に貢献すること
- ② 重要な社会的意義を有する又は社会経済へ寄与すること
- ① 最先端の科学技術的価値(斬新性、革新性)を有すること又はSACLAの新たな可能性の開拓に貢献するとともに、以下の(イ)又は(ロ)のうち、いずれかに該当すること。
- (2)研究手段としてのSACLAの必要性
- (3)提案課題の実施及び成果の利用が平和目的に限定される等、科学技術基本法や社会通念等に照らして、当該利用研究課題の実施が妥当であること
- (4)実験内容の技術的な実施可能性
- (5)実施内容の安全性
- (6)成果専有課題の審査については、上記(3)、(4)及び(5)の基準によるものとする。
2.審査結果の通知
審査結果(申請課題の採否)は、2025年8月上旬(予定)に電子メールにて通知いたしますので、User Informationマイページにログインの上、ご確認ください。
3.ビームタイムキャンセル等が生じた場合の繰上げ採択について
ビームタイムのキャンセル等が生じた場合に、別の課題の繰上げ採択を実施することがあります。繰上げ採択される可能性がある課題については、ビームライン毎の不採択課題の合計シフト数の半数程度を上限として安全・技術審査上の問題がない課題の中からあらかじめ選定し、審査結果通知時にその旨お知らせします。
キャンセル等が生じた場合の繰上げ採択課題は、以下の基準で選ばれます。
- SACLA利用研究課題選定委員会(PRC)における審査総合評点順位
- 当該利用日程(キャンセルされた課題の日程など)での実験の実施可能性
- 共同実験者の来所可能性など、実験実施の可否
- 実験装置の使用状況などを考慮した際の、実験実施の可否
- 既採択課題と同じグループを避けるなど、多様な利用機会の確保
9.利用課題実験報告書
1.成果非専有利用
成果非専有課題実施の透明性を確保するため、利用研究課題終了後60日以内に、実施した利用研究内容の報告を義務付けます(分量はA4版1ページ以内、言語は英語又は日本語、記載内容は、研究の目的、実験方法、測定内容、試料名、結果の概要)。提出された利用課題実験報告書は、ユーザータイム終了後60日目から2週間後にWeb公開されます。利用課題実験報告書の詳細は、「利用課題実験報告書 / Experiment Summary Report」をご覧ください。
2.成果専有利用
成果専有利用では利用課題実験報告書の提出は必要ありません。
10.成果の公開
1.成果非専有利用
成果非専有利用では、課題実施期終了後3年以内に、以下のいずれかでの成果の公開を義務づけます。
- 課題番号が明記されている査読付き論文(査読付きプロシーディングス、博士学位論文を含む)
〈論文発表に至らなかった場合〉
- SPring-8/SACLA利用研究成果集
- 公開技術報告書
成果公開の詳細は、「成果公表」をご覧ください。
なお、成果非専有利用は、実験実施後60日以内の年度内(3月末まで)に利用推進部へ申し出があれば、成果専有利用への変更が可能です(但し、当面、実験責任者が日本国内に法人格を有する企業及び学術研究機関に所属する方に限定)。
2.成果専有利用
成果専有利用では成果公開の義務はありません。
11.その他
- 放射線業務従事者登録
利用者は、放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(法律第167号)に従い、放射線業務従事者登録が必要となります。詳細は、「提出書類詳細」をご覧ください。 - 単独実験・作業の禁止
実験の安全上の観点から、原則として単独での利用はできません。共同実験者を確保した上で応募(実施)してください。 - 装置の故障、災害発生時および伝染病発生時の措置
状況により、課題採択後のビームタイムを利用できない場合があります。その場合、ビームタイムの補償はできかねますことを予めご了承ください。 - 損害保険の加入および賠償責任について
利用実験実施等に際し、不慮の事故に備えて傷害保険および賠償責任保険またはこれらと同等の保険に加入していただく必要があります。また、故意または重大な過失によってSACLAおよびSPring-8ならびにそれらに附属する施設、設備ならびに物品その他に損害を及ぼしたときは、損害の全部または一部を賠償していただく場合があります。
12.お問い合わせ・ご相談先
利用制度その他全般に関するお問い合わせ・ご相談
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI) 利用推進部
TEL:0791-58-0961
e-mail:sacla.jasri@spring8.or.jp
利用研究に係る技術的お問い合わせ・ご相談
産業界の皆様からのお問い合わせも是非お待ちしております。
〒679-5198 兵庫県佐用郡佐用町光都1-1-1
公益財団法人高輝度光科学研究センター(JASRI) XFEL利用研究推進室
e-mail:sacla-bl.jasri@spring8.or.jp
13.SACLAの供用に関する参考資料
- X線自由電子レーザー利用推進方針<文科省Webサイト>
- X線自由電子レーザー利用推進計画<文科省Webサイト>
- 登録施設利用促進機関業務規程
- 放射光共用施設の利用研究課題選定に関する基本的考え方
- 特定放射光施設の利用促進業務における情報管理に関する基本的考え方